介護における唯一の国家資格である介護福祉士の資格を持ちながら介護士として働いていない人のことを「潜在介護福祉士」と言います。
潜在介護福祉士は全国でおよそ12万人にのぼると発表されています。
これは介護福祉士の資格を持っている人のうちの2割を占めており、資格所持者の3人に1人は離職してしまっているということになります。
離職する要因として、出産育児を経て、その後子どもが保育園に入れなかったり、育児が思いの外大変だと復帰が遠のくなど、子育てとの両立の難しさが大きなきっかけとして考えられます。
介護士は女性が多い職種であり、妊娠・出産が仕事の在り方を変えるケースは少なくありません。
また、介護の仕事や職場が合わずに離職して、そのまま復帰せずにいる人もいるでしょう。
慢性的な介護業界の人材不足にプラスし、今の日本は未だ経験したことのない超高齢化社会に突入しています。
そんな中、介護福祉士は貴重な存在であり、どの地域においても重宝されています。
しかしそうにも関わらず、離職してしまう人が後を絶ちません。
人材不足が深刻な介護業界では、どうやって潜在介護福祉士を復職させられるかが課題となっています。
なぜ復職が進まないのでしょうか。
一番の理由として、介護業界の労働の過酷さ、それに見合わない賃金の低さが挙げられます。
さらに、慢性的な人材不足でスタッフ一人あたりの負担は増えてしまい、更なる悪循環を起こしてしまいます。
そこで厚労省は潜在介護福祉士の復職を促す目的で様々な施策を打ち出してます。
その中の一つが再就職準備金です。
介護福祉士として復帰するまでの準備として最大40万円を貸し付け、その後に2年間介護の職に従事した場合に、返済不要になるというものです。